サイン入り
Ango (英語版)
サイン入
虚空の下に
敬愛する二人の先人の其々の桜を、
一冊の本という空間の中で交配させてみたい、
という衝動で僕は、この本を編集し造本した。
そして、桜の花びらと
冷めたい虚空がはりつめているばかりの
書物が完成した。
何もない空間が、桜の森の満開の下にある
と教えてくれた坂口安吾さん、
何もない空間を、意味なきままに埋め尽くす
半世紀前の桜の花びらと現いま在の桜の花びらを手渡してくれた森山大道さんに、
深く感謝いたします。
― 町口 覚
本書は、1947(昭和22)年に発表された坂口安吾の短編小説『桜の森の満開の下』に、森山大道が撮り下ろした桜の写真作品を加え、新たに編集し造本した“ 書物” である。
発送予定:12月24日
- 判型
- 240 x 165 mm
- 頁数
- 188頁、収録点数57点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2017
- 出版社
- bookshop M
森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。