HIROSHIMA 1965
11:00 - 19:00
月曜、火曜、祝日休廊
夏期休廊:2018年8月11日(土)- 8月21日(火)
1965 年3月から8月まで、「ヒロシマから広島へ」20回の連載のため、ぼくは広島へ通うことになった。
熱に溶けて歪んだビンや時計や、被爆者の着ていた黒焦げのシャツなど、原爆の悲惨さを訴えるような写真を撮るつもりは皆無だった。
原爆投下から20年経過すると、街は日常の生活空間に復帰して、あの忌まわしい記憶を宿した〈もの〉を見かけることはできない。原爆ドームも観光的なモニュメントにすぎず、〈恐怖〉は平和公園の原爆資料館の中にひっそり匿われてしまっている。
しかし、街には原爆の影のようなエアーが残っていることは明らかだった。それは、何気ない日常のなかに潜んでいる空白と混ざりあい、変容し、助長しているように感じられる。
よくはわからないまま、ぼくは目に見えない不思議エアーにカメラを向けて、写真を撮っていたのだとおもう。
石黒健治 写真集『HIROSHMA 1965』後書きより
展覧会に併せ、写真集「HIROSHIMA 1965」を、900部限定(サイン&ナンバー入り)にて刊行致します。
こちらもお手にとってご高覧頂けましたら幸いです。
アーティスト
石黒健治
Kenji ISHIGURO
写真家。1935年福井県生まれ。1959年、桑沢デザイン研究所在学中に、日本写真協会賞・新人賞を受賞。主な写真展に「不幸な若者たち」「ナチュラル」「シアター」「若き獅子たち」「Elephant Love」など。主な写真集は『広島 HIROSHIMA NOW』(深夜叢書社、1970年)、『ナチュラル ONENESS』(ノーベル書房、1992年)、『不思議の国』(彩流社、2015年)、『青春1968』(彩流社、2018年)、『HIROSHMA 1965』(Akio Nagasawa Publishing、2018年)など。そのほか、ミステリードキュメント『サキエル氏のパスポート』(潮書房光人新社、2001年)著。また、映画『人間蒸発』(今村昌平監督、1967年)撮影担当、『無力の王』(東映セントラル、1981年)監督など、多方面で活躍。
出版物

HIROSHIMA 1965
アルル・ブックアワード2019 ショートリストノミネート
1965年3月から8月まで、「ヒロシマから広島へ」20回の連載のため、ぼくは広島へ通うことになった。
熱に溶けて歪んだビンや時計や、被爆者の着ていた黒焦げのシャツなど、原爆の悲惨さを訴えるような写真を撮るつもりは皆無だった。
原爆投下から20年経過すると、街は日常の生活空間に復帰して、あの忌まわしい記憶を宿した〈もの〉を見かけることはできない。原爆ドームも観光的なモニュメントにすぎず、〈恐怖〉は平和公園の原爆資料館の中にひっそり匿われてしまっている。
しかし、街には原爆の影のようなエアーが残っていることは明らかだった。それは、何気ない日常のなかに潜んでいる空白と混ざりあい、変容し、助長しているように感じられる。
よくはわからないまま、ぼくは目に見えない不思議エアーにカメラを向けて、写真を撮っていたのだとおもう。
-石黒健治 写真集『HIROSHMA 1965』後書きより
















