トーマス・マイレンダー
Thomas MAILAENDER
1979年フランス・マルセイユ生まれ。現在はマルセイユとパリを拠点に活動。
写真家として広く知られているが、セラミック、サイアノタイプ(青写真)、コラージュなど幅広いメディアを用いた制作も行う。
コレクターでありアーキビストでもあるマイレンダーは、デジタルとアナログ双方の領域において独自の「アプロプリエーション(引用・転用主義)」を実践している。インターネットで「真珠」を探し当て、過去の出版物や古書市、ガラクタ市から写真を掘り起こし、それらを収集・分類・咀嚼したうえで、モンタージュやプリント上へのドローイング、レジスターの操作、拡大、オブジェとの組み合わせといった手法で再構築している。
トーマス・マイレンダーの膨大なコレクション《The Fun Archaeology》は、現代世界における最悪のものを対象とした一種の考古学的研究であり、その資料群は言語の土着的な豊かさや偶発的な詩情を浮かび上がらせている。作品全体は「趣味(taste)」の問題を問いかけ、キッチュさやアマチュアリズム、下品さの境界線上に答えを見出し、滑稽さとセンチメンタルな感情を併せ持つ表現へと昇華している。
近年の大規模な個展として、2024年にパリのヨーロッパ写真美術館(Maison Européenne de la Photographie, MEP)で開催された「Les Belles Images」や2017年にデュッセルドルフのNRWフォーラムにて開催された回顧展「The Fun Archive」などがある。また、サンフランシスコ近代美術館(MoMA SF、キュレーター:クレマン・シェルーによる「Don’t! Photography」と「Art of Mistakes」)、ロンドンのサーチ・ギャラリーやテート・モダン、パリのパレ・ド・トーキョー、アルル国際写真フェスティバルなど、国際的な重要美術機関や展覧会で紹介されている。
これまでに多数の作品集を出版し、LVMH Métiers d’Artのレジデンシーにも選出された。さらに、2016年のアルル国際写真フェスティバルでの「Hara Kiri」や、2017年アムステルダムのUnseenにおけるエリック・ケッセルスとの共同企画「Photo Pleasure Palace」のキュレーションも手がけている。
トーマス・マイレンダーの展覧会
PEROPERO(The White Show)
トーマス・マイレンダー
休廊日|日・月・祝日
※臨時休廊|9月18日(木)〜20日(土)