サイン入り
東京ブギウギ_B
サイン入り/表紙2種
ぼくのストリートスナップのひとつの在り様として、路上の至る所で目に映るグラフィカルなあれこれを好んで写してしまう傾向がある。むろんそうしたイメージばかりを撮っているわけではなくて、路上の人々の生態や都市風景などさまざまであるが、この写真集制作の依頼を受けたとき、どうしても今度の一冊は、とにかく全体をグラフィカルに、あるいはキッチュでポップに、ときにチープでエロティカルなイメージを中心にまとめてみたいと思ったのだ。そんな本を作ろうとしたとき、“東京”はまさにぴったりの都市で、新宿、渋谷、池袋、浅草、銀座と、右を向いても左を見ても、あたかもオモチャ箱を引っくり返したというか、パンドラの匣が開いてしまったというか、都市を構成するありとあらゆる要素がじつに混然雑然としているわけで、カメラを片手にそれらのさ中を歩くぼくとしては、ついゾクゾクと嬉しくなる。ポスターを見ても、看板を見ても、ショーウインドーを見ても、路上の片隅に至るまで、どこもかしこもチャラチャラペラペラと、ぼくの写す気持ちを刺激し感応してくることになる。そして、辺り全体から立ち昇り聴こえてくる BGMはといえば、そのリズムといいテムポといい、まさにブギウギというしかないサウンドというかノイズである。
本の編集が終わったとき、もうこの一冊のタイトルは「東京ブギウギ」しかないゾとぼくは思った。
大都会には、虚と実が抽象と具体が、永遠に反転しつづける不思議なダイナミズムを持っているので、ストリートカメラマンも永遠にシャッターを切りつづける他はないのだ。都市の路上は、幾重にも謎のレイヤーに包まれているから。
-出版元ホームページより
- 判型
- 187 x 130 mm
- 頁数
- 200 pages, 200 images
- 製本
- 上製本(一部布装)
- 発行年
- 2018
- 出版元
- SUPER LABO
- カラーオフセット印刷/初版1000部

森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。
森山大道の出版物
稀少 サイン入り
Another Language: 8 Japanese Photographers(サイン入)
猪瀬 光、須田一政、内藤正敏、野村佐紀子、細江英公、森山大道、横田大輔
$156.64