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恐山へ/The Journey to Osorezan
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初めての旅は恐山だった。
20代初め、カメラ雑誌の月例に投稿した作品も恐山であったし、「天井桟敷」のスタッフ応募の際に、寺山修司氏に見せたのもまた恐山だった。
それ以降、いくたびも訪れているのだが、思えば人生の節目節目で私は恐山へと向かっている。
霊場恐山のあの箱庭のように凝縮した世界は、私の心に深く染み込み、瑣末な日常の感情の隙間にふっと浮かび上がってくる。
その瞬間目前の光景は異化され、生と死という極めて単純な、故に深遠な運命の感触に満たされるのである。
「恐山へ」は、私の旅の始点であり、今また希求する精神の所在なのではないかと思う。
須田一政
- 判型
- 227 x 257 mm
- 頁数
- 71, 掲載作品65点
- 製本
- ソフトカバー、ケース
- 言語
- 和文と英文
- 発行年
- 2013
- 出版社
- Zen Foto Gallery

須田一政
Issei SUDA
1940年東京都生まれ。62年に東京綜合写真専門学校を卒業。67年より寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとなる。71年よりフリーランスの写真家として活動を開始。76年、『風姿花伝』にて日本写真協会新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる。
その後、83年に写真展「物草拾遺」等により日本写真協会年度賞を受賞。85年に写真展「日常の断片」等により第1回東川賞国内作家賞を、97年に写真集『人間の記憶』により第16回土門拳賞など受賞多数。2013年には東京都写真美術館にて大規模な回顧展「凪の片」が開催された。
現実と非現実の間に漂う一瞬を捉えたその作品は近年とみに海外での評価も高い。
主な作品集に『風姿花伝』(78)、『わが東京100』(79)、『紅い花』(00)、『風姿花伝(完全版)』(12)、『私家版・無名の男女』(13)、『Early Works』(14)、『Childhood Days』(15)、『Rei』(15)など。
須田一政の出版物
稀少 サイン入り
Another Language: 8 Japanese Photographers(サイン入)
猪瀬 光、須田一政、内藤正敏、野村佐紀子、細江英公、森山大道、横田大輔
$154.79