おすすめ、新入荷、サイン入り
PEROPERO
限定版/限定100部/サイン&ナンバー入/ポスター付
2025年9月にAkio Nagasawa Gallery Ginzaで個展「PEROPERO(The White Show)」を開催した、写真家・アーティストのトーマス・マイレンダーによる作品集。
本書は、セルビアで収集された特異なコレクション――雑誌やテレビ番組から撮影し直された 10×15 cmの絵葉書サイズの写真群――を白い特殊インクで覆い、液体と接触することで像が初めて現れる仕掛けとなっている。
このインクは銀行券や機密文書の印刷に用いられるもので、鑑賞者の介入によってイメージが顕れる点で個展と共通しており、マイレンダーは本作を“(逸脱的な)行為によって活性化され、触れられ、露わになるオブジェ”と表現している。
タイトル「PEROPERO」は、舐める行為を想起させる日本語のオノマトペから名付けられた。
A2サイズ(594×420 mm)の特製ポスター付き、オリジナルビニール袋入り。
※ポスターは4色ありますが、色はお選びいただけません。
- 判型
- 297 x 195 mm
- 頁数
- 28頁
- 製本
- ソフトカバー、ポスター付、オリジナルビニール袋入
- 発行年
- 2025
- 出版社
- Akio Nagasawa Publishing
- 言語(ポスター)
- 英語・仏語
トーマス・マイレンダー
Thomas MAILAENDER
1979年フランス・マルセイユ生まれ。現在はマルセイユとパリを拠点に活動。
写真家として広く知られているが、セラミック、サイアノタイプ(青写真)、コラージュなど幅広いメディアを用いた制作も行う。
コレクターでありアーキビストでもあるマイレンダーは、デジタルとアナログ双方の領域において独自の「アプロプリエーション(引用・転用主義)」を実践している。インターネットで「真珠」を探し当て、過去の出版物や古書市、ガラクタ市から写真を掘り起こし、それらを収集・分類・咀嚼したうえで、モンタージュやプリント上へのドローイング、レジスターの操作、拡大、オブジェとの組み合わせといった手法で再構築している。
トーマス・マイレンダーの膨大なコレクション《The Fun Archaeology》は、現代世界における最悪のものを対象とした一種の考古学的研究であり、その資料群は言語の土着的な豊かさや偶発的な詩情を浮かび上がらせている。作品全体は「趣味(taste)」の問題を問いかけ、キッチュさやアマチュアリズム、下品さの境界線上に答えを見出し、滑稽さとセンチメンタルな感情を併せ持つ表現へと昇華している。
近年の大規模な個展として、2024年にパリのヨーロッパ写真美術館(Maison Européenne de la Photographie, MEP)で開催された「Les Belles Images」や2017年にデュッセルドルフのNRWフォーラムにて開催された回顧展「The Fun Archive」などがある。また、サンフランシスコ近代美術館(MoMA SF、キュレーター:クレマン・シェルーによる「Don’t! Photography」と「Art of Mistakes」)、ロンドンのサーチ・ギャラリーやテート・モダン、パリのパレ・ド・トーキョー、アルル国際写真フェスティバルなど、国際的な重要美術機関や展覧会で紹介されている。
これまでに多数の作品集を出版し、LVMH Métiers d’Artのレジデンシーにも選出された。さらに、2016年のアルル国際写真フェスティバルでの「Hara Kiri」や、2017年アムステルダムのUnseenにおけるエリック・ケッセルスとの共同企画「Photo Pleasure Palace」のキュレーションも手がけている。












