AOYAMA

蓮華

谷田一郎

2023年12月7日(木) - 2024年2月3日(土)
開廊時間|木〜土 11:00–13:00, 14:00–19:00
休廊日|日〜水・祝日

※冬期休廊|12/24(日)〜1/8(月・祝)

プレスリリース(PDF)

この度、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaは、⾕⽥⼀郎個展「蓮華」を開催致します。

⾕⽥は1965年東京⽣まれ。1980年代後半よりイラストレーターやグラフィックデザイナー、CGクリエイターなど様々な分野で活躍の場を広げ、1994年にCGと⾳楽をリンクさせたCD-ROM作品で独⾃の世界観を表現し注⽬を浴びました。その後、CG制作の経験を⽣かして制作したCM「ラフォーレ・グランバザール」シリーズを⽪切りにCMディレクターとして年間30本以上のCM演出を担当、1990年から映像作品を制作し、2018年よりVJ TECHNOVAとしても活動。
2022年より、表現のフィールドを現代美術にフォーカスして活動をしています。

AKIO NAGASAWA GALLERYでは2022年の現代美術家としての初個展「グラフィティ仏陀」以来、⼆度⽬の個展開催となります。本展では、初個展で発表した作品から、より抽象度が増したペインティングを展覧致します。この機会に是⾮ご⾼覧下さい。

 

《作家ステートメント》
2022年11月の初個展から1年経った。ずっと絵を描き続けているがなかなか思った様にならない。初個展の絵はある時いきなり完成した。それまで描き続けていたキャンパスを諦め、その絵を庭に持ち出し、気に入らない所をスプレーで消し続けていたら、いつの間にか消す行為が描く事に変わっていて突然完成した絵が目の前に現れた。生まれて初めて自分の絵が描けたと思った。

そもそも絵を描こうと思って描けた試しがない。何かを描こうとすると描けない。仕上げようとすると仕上がらない。もう一歩の所まで来ている様な気はしているが目の前には大きな壁が立ちはばかっている。その壁は破戒僧の如く戒律を破らなければ越えられないと頭では分かっているのだが、なかなかそこに到達出来ない。絵が良い感じで描けてくると上手く仕上げようとして沢山の雑念が入ってくる。その雑念を薙ぎ倒し全てを破壊しなければならない。頭で考えるな、そんな事は自分に問いたださなくとも分かっているのだが、何度やっても上手く行かない絵は泥の様だった。

その日も悪戦苦闘しながら庭で絵を描き続けていたら辺りは既に暗くなっていた。いつの間にか日は落ち部屋から漏れる微かな明かりがキャンパスを照らしていた。暗くなった庭で絵を描いたらどんな絵にな るのだろう?キャンパスを見ないで絵を描いたらどうなるのだろう?そんな思いが頭によぎった。

薄暗い庭で一気に絵を描いた。描きたいスプレーのストロークは体が覚えている。この泥の中から這い上がり一輪の華を咲かせたい。まだ見ぬ新しい価値観はいつだって自分の近くにいるのだから。

2023年11月 谷田一郎

アーティスト

谷田一郎

Ichiro TANIDA

1965年 東京生まれ
1986年 谷口広樹氏に師事
1987年 ヒロ杉山とNeo-Art Group結成
1992年 タイクーングラフィックス(宮師雄一、鈴木直之)デザインの“ID-JAPAN”にヴィジュアルで参加
1994年 TOWA TEI “TECHNOVA”のCG制作(演出:中野裕之)
1996年 John and Jane Doe Inc.を設立、ラフォーレ・グランバザールのヴィジュアル制作(AD:青木克憲)
2004年 佐藤可士和とART DESIGN 結成
2005年 Graphic Wave 10 谷田一郎・東泉一郎・森本千絵(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
2008年 佐内正史とmini DVD結成
2018年 VJ TECHNOVAとしての活動を始める