AOYAMA

Hybridizing

奈良祐希

2020年7月17日(金) - 8月29日(土)
作家在廊日|8月7日(金)、8日(土)
夏期休廊|8月9日(日) - 19日(水)
開廊時間|火〜土 11:00–13:00, 14:00–19:00
休廊日|日・月・祝日

特別協賛:DMM.make

8月7日(金)、8日(土)は作家が在廊致します。是非お立ち寄りください。
7月31日(金)は都合により臨時休廊とさせていただきます。ご来廊予定の皆様へはご迷惑をかけ申し訳ありませんが、ご了承の程よろしくお願い致します。


この度、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaでは、奈良祐希個展「Hybridizing」を開催致します。

本展では、奈良の処女作であり高い評価を受けている「Bone Flower」シリーズに加えて、「Ice Wall」シリーズを新たに加えた、20余点を一堂に展覧致します。

奈良は、350余年の歴史を誇る大樋焼 十一代大樋長左衛門氏を父に持ちながらも、当初は陶芸から距離を置き、東京藝術大学で建築を学びました。その間、陶芸に興味を持ち大学院を休学、多治見市陶磁器意匠研究所へ入所。陶芸家として、そして建築家として二つの才能を併せ持つ彼は異彩を放ち、既に国内外から注目を浴びています。

日本の文化や自然を学び、参照しながらエッセンスを抽出し、伝統的な陶芸とは異なる革新的な領域と融合させることで超現代化する。そんな彼の制作スタイルはまさに“Hybridizing”(異種交配)、ラボにいる研究者のように様々な実験を繰り返しながら、ひとつの正解を導き出しているのです。

本展で、新たに発表する「Ice Wall」シリーズ。
陶芸と最先端のテクノロジーの融合の先に見つけた新しい形。奈良は自身が幼少期を過ごした金沢の壮大な雪景色から作品の着想を得たといいます。平面と立体の間のようで、線と面の間でもあるような不思議な揺らぎを持つ巧緻を極めた美しい幾何学模様は、たっぷりと掛けられた釉薬によって神々しく光り輝きます。

奈良が、作品制作で常に意識する「境界」や「間」。陶芸と建築、デジタルとアナログ、内と外、混沌と秩序。無限大の「間」の中で格闘し、自分の居場所を見つけていく様は、作品にも深く反映しており、この他にはない彼自身の居場所こそが奈良祐希しか創ることのできない新たな世界なのです。

奈良祐希の世界をこの機会にぜひご堪能頂きたくご案内申し上げます。

-ファビアーニ 美樹子(本展ゲストキュレーター)

 

本展によせて

画一的なものから抜け出して、複合的でさらに有機的なものへ辿り着きたい。
「生成」のダイナミズムを包含するもの。
具体的にいえば、ある固有な技法や事象が参照され、それらが異種の先鋭的な領域との交配を幾度となく繰り返し、様々な悪戦苦闘や紆余曲折を経て、ある全体を獲得していくプロセス、その旅のようなシークエンスである。

従来の荘重な陶芸は僕たちの前で立ちはだかるだけだった。
自己陶酔に浸り、激しく誇張された得体のしれない大きさなるものが、物質というそれだけの存在を通じて、人と会話しようとする。
そこに生き生きとした会話は存在しない。
軽やかで透明な陶芸。内と外を明確に分けるのではなく、それらを優しく繋げながら解していく温かな境界を持ったもの。 その物質が少し違うだけで、僕たちの気分も変わり、会話の仕方も変わってくると思う。

-奈良 祐希

アーティスト

1989 石川県金沢市生まれ

2017 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻 首席卒業
2016 多治見市陶磁器意匠研究所 卒業
2013 東京藝術大学美術学部建築科 卒業

公募展・招待展・グループ展
2019 Art Central(香港)
2018 アート台北(台湾)
2018 Asia Contemporary Art Show(香港)
2018 Les Promesses du Feu(フランス)
2017 ASIA NOW(フランス)
2017 Design Miami / Art Basel(スイス)
2017 TEFAF Maastricht(オランダ)
2017 COLLECT(イギリス)
2016 SOFA CHICAGO(アメリカ)

デザイン
2015 kizuna(ビアタンブラー / ニッコー)
2013 六角堂プリン(デザイン / 浅田屋)

建築
2020 Node(金沢市)
2018 障子の茶室(台南市美術館 / 台湾)
2018 五行茶室(金沢21世紀美術館 / 金沢)

コレクション
根津美術館(東京都)