記録26号

この「記録」26号に掲載した写真のほとんどは、池袋の街とその周辺を写したものである。
ぼくが、現在(いま)の西池袋の古いマンションに住みはじめて、すでに10年余りになる。それまでのぼくは、何につけどうあれ新宿の街一辺倒だったので、池袋との縁は極めて薄かったし、かつて隣駅の椎名町に半年間居たこともあったが、その時も池袋へはほとんど出向かなかった。(中略)ところが、昨年の春先きの散歩の途中、たまたまちょっと気に入った一枚の街角写真が写ってしまったことがきっかけで、ぼくの気持のなかにフト火が点いてしまい、いわば膝元というか足元というか、ここを撮らないテもないよなあと遅まきながら気がついて、以後1年余り、カメラを手に池袋界隈をうろつき歩いてきた。そうなると、同じ巨大なターミナルステーションでありながら、新宿と池袋とでは街の匂いが異なっていて、その体温というか体質というか、人々から伝わるインパクトの在りようが違うのだ。そしてなんのことはなく、池袋の巷間もまたぼくの体温とピタリ合ってしまうのだった。
池袋愛すべし、池袋あなどり難し、というのがぼくの只今の感想である。
-森山大道 あとがきより(抜粋)
$26.14
在庫無し
- Book Size
- 278 x 220 mm
- Pages
- 90 pages
- Printing
- softcover
- Publication Date
- 2014
- Publisher
- Akio Nagasawa Publishing






