AOYAMA

Wander

植田工

2021年9月30日(木) - 10月30日(土)
開廊時間|木〜土 11:00–13:00, 14:00–19:00
休廊日|日〜水・祝日
※新型コロナウイルスに関する状況により、会期や内容が変更する可能性があります。

この度、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaは植田 工個展「Wander」を開催致します。
植田 工は、1978年東京都生まれ。東京芸術大学を卒業後、脳科学者の茂木健一郎氏に師事しアーティストとしての活動を始め、2017年に独立。現在は絵画やイラスト、デザイン、映像、コラムなど様々な表現を展開しています。
本展では母子像のシリーズを中心に新作キャンバス18点、ドローイング6点を展覧致します。
是非この機会にご高覧頂けましたら幸いです。

《作家ステートメント》
小学4年生のときテレビで放送していたラピュタを見て、こんな世界のこんな風景が描けたら自分は幸せなんじゃないかと思いました。そんな時に、たまたまた幼馴染に絵を習いに通わない?と誘われて、これは行くしかないと思いました。

父はいつもウチには金がないと言っていたので、はたして通わせてくれるものか、夕食後、自分の机の上でいつ言おういつ言おうと考えてたら吐きそうなくらい緊張してきます。ここで言わなかったら一生後悔するぞと思ったので、父の仕事部屋に行きアニメーターになりたいのでアトリエに通わせてくださいと言いました。父は一言、「わかった。月謝は幾らだ?」と言いました。

高校卒業の直前に初めて応募してから、3回ほどジブリの美術職採用に応募してみましたが、どれも結果は不採用でした。大学四年生になり、同級生の一番絵が上手い友人も不採用だったと聞いた時に、自分の中でジブリで宮崎駿のもとで宮崎監督の世界を描くということを、どこかあきらめたような気がします。

アニメーターになりたいのに油画の美大受験を選んでしまったこと自体が間違いだったような気もしますが、美大受験をきっかけに芸術への問いに躓き、小学4年生の時の衝動の目指している方向から乖離していき、夢が現実的に無理かもしれないことに納得してしまったとき、自分の心を救ってくれるものが躓いた芸術というのは皮肉です。

それでも絵を描くことがやめられないのは、一生のお願いとして父が教室に通わせてくれたからと思う時があります。

どうしたらあの頃の感動を宮崎駿やディズニーには及ばなかった人間がアニメーションとしてカタチにすることができるのか、今も彷徨いながら描いています。

アーティスト

1978年 東京都生まれ
2005年 東京芸術大学 絵画科油画専攻 卒業
2007年 東京芸術大学大学院 美術解剖学専攻 修了
脳科学者・茂木健一郎氏に師事しアーティストとしての活動を始める。
絵画、イラスト、デザイン、映像、コラムなど様々な表現を展開する。